小学生日記「下から燃える」/瓜田タカヤ
 
なっているであろうその言葉が、表紙の見出しに載っていた。

本の内容は全然忘れてしまったのだが、そのキャッチコピーだけは、
今だに覚えている。それはこう書かれていた。
「下から燃える」
オレタチは(オレは?)その言葉に、興奮した。
写真よりも興奮したのだ。

意味が分かって興奮したのではなく。
意味が分からなくて興奮したのだ。

小学4年生のオレには女が欲情する事自体が理解不能だったのに、
そう言う事柄を暗喩的に
「下から燃える」と言われてもよく解らなかったのだ。

「意味が分からず興奮した」というのは、きっとこういう事だそれは
大人の世界のリアルな真実さに触れたか
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