自分で自分を殺したりはしないさ/こたきひろし
っていた
私は母親にとって可愛げのない子供であったに違いないだろう
どんな切っ掛けと悪しき原因が重なったとしても
自分から生まれた子供が自分になついてくれなければ
いくら母親といっても
それが長い時間続いてしまったら
愛情も思いやりも失せていくのを止める事は至難だと思わざる得ない
とは言っても
私は私なりにその事に悩み苦しんではいたのだ
長女が二十一歳で嫁ぎ
二番目の姉は就職して家を出た
三番目の姉もまた就職して家を出て行った
家には
最初から反りの合わない兄と
両親だけになって
私は深い孤独感を感じない訳にはいかなくなった
姉三人は私に一様に優
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)