むなしさ/
Giovanni
もういいよ
帰ろうよ
私たちは
あまりにも それぞれが
理由を愛しすぎて
変わらないものを
予定調和の規則を
もうもたれないのだ
もういいよ
帰ろうよ
私が あまりに速やかな
青い此岸の渓流に
独り腰掛け呆けるとき
老いることを忘れた
古い詩人の言葉が
冷たく胸をうつ
もういいよ
帰ろうよ
どうでもよくない理由を
帰りたくない理由を
また 握った掌に
探してしまっている
もういいよ
帰ろうよ
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