ノーカットフィルター/
ねなぎ
圧された湿度に水分を奪われながら
移り行く言葉を考えていた
偏光さえ失くしたら
計算した屈折率さえ
間違えているのだと知った
声を上げることすら忘れて
息を飲んで悔やんだままだった
近赤外の反射が強くなり
青々とした葉緑素の中で
歪みが揺れるのを思った
忘れていた空は静けさに濃く
重く沈み込む
苛立ちに似た憂鬱を透過させ
現実だけが突き刺さった
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