ありがとう/
ひだかたけし
少し蒸し暑い風が吹いて来る
海を渡って遥々届く
初夏の風に違いない
空は淡く青く広がって
この巨大な球体の上に
私はしっかり足を付け
何を不安がることがある?
自問し次第に陶然と
溶けていくよな心持ち
夜闇迫る夕暮れに
貴重な心の均衡を得て
私はそっと時を抱きしめ
詩の言葉を刻んでいく
ありがとう、ありがとうと
在るものすべてに感謝して
詩の言葉を置いていく
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