これから戦争なんて/こたきひろし
 
育った俺も酒を嫌いにならなかったが
いつも無意識に殺して飲んでいたんだろう
ほとんど酔わなかった

俺の父親は召集令状で集められて
アジアの大陸に人殺しの道具を担いで行ったらしい

しかし
父親は戦争の話をいっさいしなかった
俺は聞けなかった

だから
と言う訳でもなく
なぜか
俺は若い頃
反戦の詩を書いていた
でもその実体は
単純に
反戦詩人と言う看板がかっこよく見えたからだ
だから
そのなかみは嘘っぱち
ただの見せかけ
だったんだ
けれどね








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