八首/こたきひろし
 
恋情に消費期限があるなんて知らなかったよ冷めてくカップ麺

障害があるかないかの差があってわたしは足を引きずっている

缶けりの先にはいつもかくれんぼ探されぬまま皆いなくなった

死ぬ事に憧れ抱いた愚かゆえ他人を妬み自分を蔑んで

悲しみの欠片集めて泣いたっけそれから自分を慰めた夜

焼きたての母の遺骨は熱かった壺を抱かされ前歩かされ

十年の歳月をへて会えたのは姉突然に死んだから

捕まえたカエルの腹にストローを突き刺す遊びに躊躇いはなく


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