づきづきと心が痛んで/こたきひろし
 
づきづきと心が痛んでいました
正体はぺらぺらの心なのに

その時僕は十四歳
正男君も同い年でした

僕が正男君に近づいて仲良くなろうとした本当の理由は
三歳年上のお姉さんがいたからです
清楚で綺麗で女性的な人でした
まだ女子高生なのに
大人の女性の香りがしていました

驚いた事に
正男君は顔立ちや言葉遣いやふるまいがお姉さんそっくりでした
彼は弟と言うよりも まさに妹と言っても過言ではありませんでした

とは言っても
普通に男の子の服装はしていました
ただ普段からなよなよしていて
周囲も僕も違和感を覚えていました

正直
表面には出さずにいましたが

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