口笛/水宮うみ
君を思い浮かべると、君の口笛も一緒に浮かぶ
楽しいとき、嬉しいとき、君は決まって口ずさむ
どこかで聴いたことがあるような、その場限りの人懐っこい旋律を吹く
息とメロディーだけのとっても素朴なその音楽が、
どんな言葉よりも君を語っているように、僕には思えた
君のよろこびは口笛になる
だから君の機嫌が良いかどうか、皆いつでもすぐに分かった
君は隠しているつもりらしかったけど、ほんとにバレバレだった
まるで犬が尻尾をぶんぶん振るみたいに、君は嬉しくなると口笛を吹く
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