そういえばぼくたちは/カマキリ
 


山の中にかえっていく今日を
力強い何かに掴まりながら見ていた
薄っすらとあらわれはじめる
星の一つ一つに名前をつけて
大好きだったものに似た影を覚えていく

それぞれのたましいを均一に焦がしながら
優しい言葉を繰り返していた
歩くのをやめる人も
今から走り出す人も
背中から溶かされていくようだった

枝を避けながら月に会いに行った
その指先にある痛みを
どうしても伝えたかったのかもしれない

ざあざあと風にさえずる暗い緑を撫でていると
そういえばぼくたちはかつて
こんなものだったと
ふとした時に思い出す



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