午睡の刻/帆場蔵人
窓から
射しこむ
ひかりに揺れる
小さな寝顔のうえで
未来がうず巻いている
シエスタ
君は宝島を見つけたのか
シルバー船長や
オウムのフリント
うず巻く海原を越えて
高らかに笑いながら
シエスタ
君は夜明けを迎えて
人を救い人に救われ
愛し愛される英雄に
なれるだろう
シエスタ
君は大人になって
称賛と勝利を浴びて
絶望も挫折も一時の
スパイスでしかない
引力ですら君を止められはしないし
その歩みはたくさんの花を産む
ガーベラ、ニゲラ、カスミソウ
アネモネ……枯れた花も輝いて
でも、明日は当たり前に残酷で
夢のまた夢
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