くまたち/
はるな
くまたちが春をわすれると
街はわあっと暑くなる
なんでもない顔をして
生きていかなくてはならない。
箱が産卵する
そして部屋には
部屋のかたちの夜がはいってくる。
眠れずにいる日々を
くまたちが歌うとき
わたしは
けものくさい指を嗅ぎながら
死のよさを思い出すんだよ。
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