並び立つことのないぼくらの歌/山下ヤモリ
 
分のために優しくあってほしい」と地面を蹴る

ギッコン
バッタン
それは相容れない矛盾じゃなくて

ぎっこん
ばったん
どこか心地よい矛盾
並び立つことのないぼくらの歌

互いに地に足をつけ
雲間に隠れて見えないもうひとりに「ありがとう」と空想しながら


キミは「無理しすぎないでくださいね」と地面を蹴る
そしたら次は
ぼくは「キミにばかりぼくの気持ちを広い世界に代弁させるのはズルいよ」と
また地面を蹴ろう
戻る   Point(1)