私と変容/ふるる
るぐるぐる
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
ああいしているあいしているああいして
私は変容する
(どうやら私は蟻の巣へ運ばれてちょん切られているようだ)
ところで 繭の方は
台所で、糸を紡ぐ人がいて
(どうぞご心配なく)
薄いまっくらな隅で
繭は絹糸へ
羽根は美味しくないので、捨てましょう
金曜日に
(どうやら私は蟻の腹の中らしい)
蟻は食卓で
「愛している」
と言うだろうか
私は変容し
絹糸と、蟻の腹の足しになった
その数は
あなたに「愛している」と言ったそれに
匹敵する
その数は
たったの一度
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