侵入者/草野春心
 


  桃を食べていた
  指で口をぬぐった
  戸が開いて何かがわたしにふれる
  液状の 概念じみた何かがわたしにふれる
  死んだ後もそこに在るとされるものだ
  それは 戸を開けてはいってきた
  一介の侵入者にすぎないのだが



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