《砂の羽音》/ハァモニィベル
 
細い細い砂山は 

伸びでた一頭の獣の首

蹲ることもできず


枯れ果てし茅芒(カヤススキ)の

散りゆく波打ち際

耳を澄ます月が

寂しさに馴れた門のように

開かずにいた薄眼を

今そっと開く時


にぶく響かせた最期の羽音のように

水煙りのなかへ、突如急激に

傾斜して消えた感情の片影



















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