《砂の羽音》/
ハァモニィベル
細い細い砂山は
伸びでた一頭の獣の首
蹲ることもできず
枯れ果てし茅芒(カヤススキ)の
散りゆく波打ち際
耳を澄ます月が
寂しさに馴れた門のように
開かずにいた薄眼を
今そっと開く時
にぶく響かせた最期の羽音のように
水煙りのなかへ、突如急激に
傾斜して消えた感情の片影
*
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