秘密の願望/赤椿
 
ザクザクに切り刻んで 破片なんて残してはだめ

後悔なんて 生きていくほどに 重く苦しくなって行くんだから

誰かのせいにして 喚き散らして グチャグチャに踏みにじってしまいたい

そうやって自分の爪を噛みながら 妄想するけれど

結局のところ 切り刻むことも 踏みにじることも

返ってくるのは自分自身で 気付いたら子供みたいに号泣してた

あいつをめちゃくちゃにぐちゃぐちゃにして 殺してしまいたいんだ

これから先 あいつの声を聞くことも 視界に入ることもないなんて

なんて幸福なことなのだろうと うっとりした目で告白したら

狂人に出会ったかのような目をされて はっと夢から醒めた

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