石の顔/服部 剛
 
さな脳では計れないまま
体力を消耗している

けれど
今朝は家に戻る通り道で
はたと立ち止まる
(僕に、笑いかけていた)
アスファルトに埋もれ
にこやかな目の曲線の2つある
半月型の石の横顔が
 
(遠い背後の頭上に昇る、朝の太陽は
 できの悪いパパの背中を照らしていた)

少しだけ身を軽くしたママとパパが
せちがらい世の日常にそっと隠れた
石の顔と出逢えますように  





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