妻へ/花形新次
おまえはかなり凄いんだぜ
俺なんかでは決して真似できない人間
もっともっと人間として上等に出来ているんだ
そんなことなかなか言えやしないが
俺が死んでから何年かして
あんたの旦那、こんなこと言ってましたよって
誰かから伝われば良いかなって思う
本当に立派な人ってのは
目立たないところで
自分に与えられた使命を
こつこつやり遂げようとしているのだ
先ずは自分の生活に真正面に向き合い
出来ることからやる、やりきる
その過程で溢れ出てくる言葉以外、
誰が耳を傾けるだろう
それを詩と呼ぶなら呼べばいい
今のおまえたちはイメージの中での挫折を
リアル
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