季節を探して/
帆場蔵人
夏を探して
蝉の声に踊れば
踊れば夏でした
七日の後に声は枯れ
日めくり秋にちかづけば
鳴いているのは蝉でなく
あれは鹿の子の笛の音
いいえ、それも夏でしょう
では秋はどこ、どこでしょう?
ちりちりと視線がもえる
鹿の背に乗った紅葉に
仄かにはえる
秋のうぶ毛を撫ぜる風
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