廃園の子どもたち/
もとこ
のように繰り返される
私を内側から支える呪文
唱えるたびに大きくなる
胸の奥底にある暖かい光
取り戻すことができないなら
作り直すことが不可能なら
私は荒れ果てた庭の隅に
小さな種をひとつ植えよう
むりだよ
むりじゃないよ
むりでもいい
たとえ芽を出さなくても
カラスがほじくり出しても
日照りに枯れてしまっても
何度でも種を植え続けよう
(あの人に復讐するために?)
(ちがうよ)
(私の不幸に復讐するためだよ)
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(10)