まにまにダイアリー?おっくうがるはいずこ。/そらの珊瑚
祖母を助手席に乗せて島へ渡る。「死ぬる前に海が見たい」と彼女が言うからだ。高齢ということを逆手にとって(ぴんぴんしてるくせに)欲望を叶えたいとき祖母はいつも死ぬ前にというワードを足す。すいっちを押されて生きものとして誕生したわたしたちは、すべからずみな死ぬ前に何かを見たりどこかへ行ったりしている。
それに、残された時間が少ないかどうかなんて神様しか知らないのに。欲望というエネルギーがあるうちは人は死なないと思うのだが。
首にスカーフを巻き付け、サングラスにつばの広いラフィアの帽子を被った祖母の紫外線対策は完璧にみえる。少なくとも私より。日焼け止めクリームさえ塗らない私にいつも彼女は「おっくうが
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