気づいたら歌詠む人になっていた/こたきひろし
 
気づいたら
私は
この地球の上で歌詠む人になっていた
星は
星の数ほど有るらしいけど
私は仮の住まいを地球上に選んでいた
のです

その時
私は大都会の一隅で
一人の男性にひそかな想いを寄せていました

だけど
私は文学好きな女で
口ではうまく言えなくて
思いを文字に託そうとしたのです

告白の手紙を書いて
その中に一首詠んで渡そうとした

その一首がどうしても思いつかなかったの

たとえ一首を思いついて
上手に詠めたとしても
相手が歌に興味なければ
何これ?
暗いなって思われかねない
思うでしょう
きっと

古風な女だと思われるより
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