震え/福ちゃん
 
いつまでも僕らは震えたままでいる
排水溝の淀んだ臭いが胸いっぱいに詰まるスタートライン
今朝のテレビの占いが最下位にでもなったものなら
惰性を?ぎ止める糸は完全に切れてしまうかもしれない

狭い入り口に吸い寄せられてしまうのは僕らのどうしようもない習性で
押しのけようとする僕たちはいつだって大安売りの肉団子だ
今日のご飯はハンバーグがいいな
そんな希望さえ叶わなくなった現実が肉団子なのだ

震えが止まらない
固まってしまった空間を温めるように
僕らは振動し共鳴し密かにメッセージを送り合っている
僕はここにいる、ここにいる、ここにいるよ、と
宛先不明、送信不能、それでも発信せずにはいられない

今度こそ僕は自分自身をリセットするのだ
震える肩がぶつかる誰かの肩もきっと何かに震える身体だから
淀んだ生活感を抱えて震えながら進めばいい
いつまでも僕らは震えたままでいる
その振動が大きななにかを動かしている
きっとそんなことはないこの場所で
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