初化粧#2/ふじりゅう
 

クローズアップされた土の粒
ぐちゃぐちゃの臓器から
捻り出した言葉「おわっちゃったね」
恥ずかしいほど若やかな
葉っぱが風を作る
熱気を持っていく
薄ぼけた月が眩しすぎるのは
あの雲のせいなのでしょうか

夏祭りの余韻でぼけた空 雲は
「いつも」の分子と混ざってまろやか
片隅に残っていた初化粧の粉を
拭き取った母のほほえみは
水道の音に溶け込んで分からない
いってきますが叫ばれる
まだ焦土のままの脳みそで
また扉を開け 母親の影を追っていく
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