魅了の手順/竜門勇気
 
嘘を忘れたけだものは
濡れた舌を突き出して
さらさらの唾をいつまでも落としました

そろそろだよ
何もかも穿く刃が帰ってくる
眼球の寸前に刃があらわれた
だけどそこで
位置エネルギーを使い果たして
再び星が飲み込んでしまった
こうやって俺は無数の刃を
重力の壺の中に投げ込んだ
明日で休日は終わる
また庭で俺は吐いている
死ねやしねえ
でもあれだ
”夢をもつことはいけないことですかね?”ってやつさ
嘘を忘れたけだものは
自分すらも騙せないのさ
こうやって
自分を魅了してやらないと
生きていくことなんて
生きていくことなんて
忘れられない
戻る   Point(3)