半球半身/ああああ
 
妊治療を受けることになった。不妊の原因は彼女ではなくぼくにあった。ぼくの精子は半球半身という状態、要するにすべての精虫が右半身か左半身しか持っていない状態になっており、女性を妊娠させる能力がないという。

 それ以来ぼくはすっかり安心してしまった。実はそれまで、ぼくの性器は満足に勃起することがなく、勃っても挿入すると萎えてしまう状態だったので、手で何度もこすって精液を吐き出す瞬間に彼女の膣に入れるという不恰好な性交を行っていたのだが、妊娠の不安から開放されたぼくは普通の人がよくやるように腰を振って射精することができるようになった。
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