はつ恋/羽衣なつの
 



片想いをしていたころ、よく浜辺に行ってわたしを砂にうめました。

潮の満ち干をかんじながら、血をながすからだをはずかしいとおもいました。

恥ずかしかったのです。ひとばんじゅう。砂になってしまえわたし。

ちいさな貝がらがむかしのひとのように
「お前だけじゃないよ、お前だけじゃないよ」と。

まるでさとすように。

からだは泣いていたのでしょうか。

おめでとう、わたしはよごれた砂です。それでもみっちゃんがすき。


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