人の口を数えても/こたきひろし
 
ったから
心臓がドキドキしてしまった
僕は聞いてみた「マスターの姪なんですか?」
聞いて同時にカウンター内の男の人の顔をうかがっていた

それから彼女の顔に視線を移した
ええと言って間をおき おじさんです
と彼女は返答した

それから何度もその店に僕は通った

下級詩人にもなれない僕は下手くそな恋愛の詩を
書いてしまう羽目になり
そして段々に嘘がメッキみたいに剥がれるのを感じて勝手に失恋した






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