花の墓 (改稿版)/帆場蔵人
 
一輪挿しの花を
わたし達はただ愛で
やがて枯れたならば
裏の畑に埋めて

忘れてしまうでしょう
なぜ、忘れてしまうのでしょう

そうして人々はまたこともなく
明日の朝を、明後日の夕をむかえて

(忘れるというのは
  癒されていくことだもの
    そうかしら、そうかもしれないね)

  花を愛でるのです

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