夕陽 〈彼女の猫とソネット〉/
高林 光
車のガラス越し
斜めに深く射し込む夕陽で
季節と時を感じる
昨日の記憶と共に
彼女の部屋の窓辺に
君は今も座って
ビル越しに夕陽を見ているのか
言葉なんかいらない瞳で
街灯に灯が入るころ
彼女の部屋はテレビの音だけで
二人の声は溶けていく
僕の肩に触れる彼女の頬の熱が
もう少しで僕とひとつになるのに
いまという時間は流れて…
〈彼女の猫とソネット 1〉
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