夜は終わるものさ/竜門勇気
そう決めて氷を腹いっぱい食べる
逃げ場なんてねえぞ
安心できる場所なんて
最初に捨てたろ?身軽になりたくて
誰に言ってんだ?
うなずく人たちが影になって
ぬかるみを歩く足音
自動で変わるチャンネルは
時々、思い沈むようにとどまる
意味があるように見えるし
ただの停滞のようにも見える
待ってると約束した神様は
今日もあらわれない
カビた木の机の前で
時々眠ってしまう
あのときヤラれてたあいつが
ぼたぼたキミドリの精液を垂らしながら
俺を見下ろして勝ち誇る
”それは きみの 悲劇だろ ”
こんな言葉が自分から出たのも随意な待ち人の仕業
寝返りで消えていく
納得してたじゃないか、きみも
神様に言えよ
ここで待ってれば会える
チャンネルはねじれてる
時間はねじれてる
夜のことなら何でも訊いてくれ
ああ、そうだね
残念だけど夜は終わるものさ
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