うたのこえ/武下愛
 
ほしがらないで、もとめないで、もとめているのは、ぼくじゃなから、からから。ことばじりにいきてきたのは、いままでとはちがう、あたらしさでもふるいわけでもない、ぼくのこえ。

ふぁるせっと、ぼいす。僕らしく、歌えるのは、楽しいからじゃなくて、悲しいからでもなくて、昔よりも、嘘が、少なくなったから、ありがとうと、聞こえなくても、発している。
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