アーク燈/マサヒロK
アーク燈の周りでは
常に何人かの人が
行き来している
それらの人が
顔を変え
足取りを変え
通り過ぎていく
やがて日が暮れ
ナイロンのフードをした人や
薄いコートを着た人が
通り過ぎるようになると
その燈の下は
ローラー・スケートを履いた子供や
白い色をした猫たちの世界となる
燈の内側では
カラカラに乾いた虫が
足を宙に投げ出して
透明な眼を
空の方に向けている
銀色に反射する舗道は
ずっと遠くの街まで続いている
この街の情景を見ているのは
高い所で立っている
あなたの小さな影かもしれない
今も
燈の下を
人が通り過ぎていく
(30代制作)
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