【 プラネタリウムの夏の空 】/豊嶋祐匠
 

  
  
  闇の中
  
  君は駄々をこねて、ずっと泣いていたっけ。
  
  
  「 仕方ないよ、これは夏の夜空なんだ 」
  
  「 獅子座は、春の星座なんだから 」
  
  
  優しく諭すと、君は笑って許してくれた。
  
  君が天使に見えた。
  
  
  
  桜が舞う頃
  
  君は僕の前から、静かに消えた。
  
  二度と同じ夜空を見る事は無くなった。
  
  
  独りで見る部屋の夜空はまるで
  
  僕の心の大きな空洞を映し出しているよう。
  
  
  
  君の泣き顔、君の温もり
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