【 プラネタリウムの夏の空 】/
豊嶋祐匠
君と僕が出会った時は
深い冬の中だった。
そしてそれは、若き君の晩年。
「 あの子を、最後までお願いします 」
僕に向けられた言葉は
君の母さんの、祈りだったに違いない。
僕はその時、決めたんだ。
君と共に最後まで生きると。
君が買ってくれた、小さなプラネタリウム。
寂しかった僕の部屋は
季節はずれの、夏の夜空に変わった。
「 私の星座が無いよ 」
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