ハルの空、ハレの空(改訂)/
ひだかたけし
書くべき物語はもうないのだった
すっかり何もかも失ってしまって
ただ生きて在ること、それだけが
残され 、〃うっとり〃桜を見上げ
もう何一つ
始まりゃしないのに
両手広げる、大きく大きく
天に向かい
ハルの空、ハレの空
揺蕩って、
今日も懲りずに生きて居る
戻る
編
削
Point
(4)