うさぎの貯金箱/
ナンモナイデス
つきせぬ思い出に
背中が揺れる
まだ月が
まじかに感じられていたのに
真っ白な
あまりにも真っ白な
終焉が訪れた
もうあれから半年
生を与えられた者が
受けざるをえない定め
真っ白にされてゆく
終焉
食器棚の中で
片耳が落ちた
うさぎの貯金箱
母がかわいがっていた
真っ白な貯金箱
お前もひょっとして
ゆこうとしたのか
バラバラに壊れて
ゴミに出されたら
ゆけると
思ったのかい
あのぬくもり
母のてのひらの
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