私の大好きな手/
カマキリ
思い出そうとしたことに
ハシゴをかけて
一緒になって寝てしまった
小さな虫は春を焦って
網戸に張り付き始めた
次の季節も
私は何ひとつ気づかないまま
きれいに折りたたんで
どこかにしまっておくのだろう
私の大好きな手が
カレンダーをめくる音がする
布団を蹴飛ばしても眠っていられるように
前の季節のハシゴを
取り戻しにいかなくちゃ
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