架空の恋/xxxxxxxxx
どんなに言い繕ったところでどうしようもなくその一挙手一投足に気を取られて
つまるところきみが好きで
結局僕の造花が飾られていたことが一等の賞状よりも昨日のスシよりも嬉しかったわけだし
つくりものの笑顔を向けられただけで夜中に走り出してしまうわけだし
些細な言葉をふいに愛されただけでもその日のすべてが報われてしまうわけなんだし
ちょっとした特別になれただなんて思い上がりだけでも重力さえ反転させてしまうわけで
きみが好きで
きみが生きているかぎり続くこのじごくこそが恋と呼ばれるものなんでしょうね
まいにち僕はその花のようなナイフで急所ばかりを刺されて血を吹いているわけです
しあわせなんて文字列は最初の数秒でゲシュタルト崩壊して意味のゴミ箱に棄てました
くつうがヒトのかたちを美しく造るってこともはじめて知りました
つまりきみが好きだというテイで生きているんです、僕は。
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