春日の余韻/ひだかたけし
 
燦々と
陽は降り注いで芽は弾け
花は開いて誰か居ぬ

誰かいたか?誰がいた?

記憶にうっすら響く余韻
懐かしく憧れた 
娘の顔が
逆光に浮かぶ

)きっとまた会えるから
)きっとまた会えるから

そう囁きながら逃れていく
娘の姿は
春の薄暮に亜麻色に沈み
私は今日も一人寝の
床を整え横たわる

















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