白い紙、赫い影/
嶋中すず
夕闇に
かみひこうき
投げて
どこまで
飛んでいって
くれるのか
と
思い
を
馳せる
季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい
ふと
隣に居ない
誰かに
そっと
見られるている気がして
二階の
自分の部屋の窓のサッシに
腕を
その上に
顎を載せて
微睡んで
みる
今頃、
昔に出逢った
あの人は
何をしている
だろうか
夕方と夜の
曖昧な境目は
そんなことを
考えては
ほんの少しだけ
景色に
酔う
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