干からびた流木を集めて人生と言う筏を組めば/こたきひろし
 
娘が二人いて、二人共中学一年の終わり頃から不登校になったよ。
俺は三十代の半ばに縁があって結婚し所帯を持った。それ以前は飲食店の厨房で働き店を何軒か転々としていたが、十年近くはM駅前の洋風居酒屋で働いていた。
その頃に知人の紹介で嫁さんと知り合った。
結婚は、男と女の出会いの縁と成り行きなんだよな。
三ヶ月も立たない内に男女の関係になって、半年も立たない内に式を挙げて籍を入れた。
結婚を機に棲む街と住まいを変え工場勤めになった。
それまでの人生が一変してしまったんだ。
当然、巨大な波が押し寄せて来たよ。
波に飲み込まれたらお仕舞いだったな。人生の大きな賭けってやつよ。

最初の
[次のページ]
戻る   Point(4)