無機的な夜/シホ.N
 

夜は明けない
日は出ない
見えない路を
徘徊する

夢とも何とも
いえないところで
自らそこへと
入っていった

その隅っこは
暗かった
顔が闇に
埋ずもれた

そうだ僕は
なにものでもない
顔をもたない
無機物だ

そろいもそろって
よくもまあ
不毛さだらけで
つどったものだ

というよりこれは
集まりではなく
それぞれに在る
一人の僕だ

独りの闇で
虚空をつかんで
握ったこぶしを
解く指の一本ずつ

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