黄金/後期
かった。日本のいちばん長い日さんは、バイセクシャルであった。互いに腹を斬り合うのを無常の喜びとする集団的個人であった。いまだ、集団的個人をババオさんだと思い込んでいるおのーは、これは、沼だとフッと想った。あたりに、フワーッと沼が広がった。手首返しを延々と続けながら、どこからか、銀の斧ですかー?金の斧ですかー?と問われているように想えた。神さま、ぼくは嘘つきで、嘘の塊ですが、今度こそ本当のことを言いましょう。ぼくは、銀でも金でもなく、ボタンエビです!ですから、神さま、どうか、裏か表かをぼくに問うてください!そうか、お前は、正直な斧だな!神さまは、感心して、裏のボタンエビも表のボタンエビもおのーにくれました。その瞬間、愛人宅の監督は逝き、おのーの全身は、黄金色に光り輝きました。
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