女神が春雷/秋葉竹
よい
女神にキスをしてみたい
と、この世の最後に願う夢を見てしまった
そして私は罰と死を覚悟して
女神に愛を告白してしまい
まるで違う生き物を見るような目で
見られたのだが
でも
私の背中にもまだ小さいのだが
翼が
それも純白の月光色の翼があることを知ると
もう一度私の
彼女から離せない目を怒ったように見つめ直し
そういうことなのね、と自分に言い聞かせるように
口の中で呟き
私にぶら下がるように強く抱きつき
夢よりも甘くて美味しい、そして切ないくちづけを
そっと、一瞬
与えてくれたのだった
その夜から
私は女神に仕える小鬼になったのだ
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