女神が春雷/秋葉竹
 

月あかりの降り注ぐ庭
馴染まない舞踏の催しはいつまでも続くのだろうと
諦めていたのに
私は彼女の踊りに
心を撃ち抜かれてしまった

生まれて初めて私の瞳に私の光が映った
瞬間だった甘くて美味しそうな唇が私の脳を灼いた

即物的で攻撃的な漆黒のドレスを身を纏い
焔と燃える瞳をナイフにして
私の感情にケロイドを残す熱さで突き刺した

一度夜空を雲が覆い
彼女の姿を見失ってしまったあと
純白の月が雲間から光をあたかも
スポットライトのように当てる漆黒の髪
漆黒のドレス
漆黒の翼
そして真紅の唇。

私は氷像となってもよい
ほんの微かに触れるだけでもよい
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