捕食/チアーヌ
 
わたしは大きな空を飛ぶ
見えているものは何も無くもしもぶつかれば死ぬ
背の高い草は鋭い葉先を持ちわたしの肉を突き刺す
この程度では死なないけどまもなく卵がわたしの胎内で増殖するから
うえええええええええええ
ああ産まれそうなのは実はわたしの卵ではないのかもしれない
いつ産み付けられたのか
わたしの口から出てくる小さな芋虫わたしを食い破って
一本
二本
触角が千切れていく
空に

土に住み暗闇を這い回る
わたしの形をわたしは知らない
柔らかく暖かい胎内に包まれた記憶
流れるようにたくさんの足で潜り込むねぐら
匂いがするほうへいけば
ぶちゅぶちゅ音を立てて何かを食べ
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