午睡の刻/帆場蔵人
窮屈に背中を丸めて
一山いくらになって
一山いくらの缶詰めで
飢えを満たし満たされず
蒔いた種は奪われて
ひとり眠る夢のまた
夢のなか
この
揺りかごを懐かしむ
明日があるのかもしれない
窓から
射しこむ
ひかりに揺れる
ちいさな寝顔のうえで
未来がうず巻いている
ただ祈っている
君が眠るとき
その寝顔に
ひかりが
射すことを
シエスタ
したたかに
でもやさしい
うたたねの音いろが
うず巻き続けることを
午睡に微睡む君は未来へと
逆巻いている、シエスタ
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