うさぎの目/竹節一二三
わたしの背後にいる
うさぎの目はぐみのように赤く
釦のようにかたい
静かな夜に
わたしをじっと見つめるそれは
たぶんうさぎでなく
うさぎの姿を借りた別のものであろう
わたしはうさぎを抱き上げて
耳をつかみ
ぐるぐるとまわす
わたしがうさぎからされているように
ぐるぐる ぐるぐる
そのうちにわたしはうさぎになり
めまいを覚え寝台に倒れる
うさぎは床の上からわたしを見つめている
うさぎはわたしのかたを見透かすように見つめている
ぐるぐる回る世界の中でわたしは
うさぎだけを見つめている
うさぎの目はぐみのように赤く
釦のようにかたい
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